イエスもわたしも、わたしたちもすべて、天国から一度も離れていない。
罪も罪悪も夢。
この世界を優しく看過し、麗しい被造物だけが輝いている。
ここ以外、なにもない。
すべてが光。
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用語の解説 5.イエスーキリスト
あなたは一度も天国から離れていないので、そこに入るために助けは必要ない。
しかし、あなた自身を超えたところでは、助けが必要である。
なぜなら、実相において神のみが定めたあなたのアイデンティティーについて、あなたは間違った信念を抱いており、それにより束縛されているからである。
助け主たちは数多くの形態であなたに与えられるが、祭壇の上では、それらはひとつである。
それぞれの形態の向こうにはひとつの神の想念があり、これは決して変化しない。
しかし、しばらくの間は、それらにはいくつもの異なった名前がついている。
なぜなら、時間は、それ自体が実在しないので、象徴を必要とするからである。
それらの名前は数多くあるが、私たちはこのコース自体が用いている名前以外は使わない。
神は必要というものを知らないので、助けることはしない。
それでも、神の子が自分の空想が真実だと信じている間は、神は神の子のためのすべての助け主たちを創造する。
あなたを家まで連れ帰ってくれる彼らのことを、神に感謝しなさい。
イエスという名は、ひとりの人間でありながら、自分のすべての兄弟たちのうちにキリストの顔を見て、神を思い出した者の名前である。
したがって彼はキリストと同一化し、もはや人ではなく神とひとつのものとなった。
人としての彼は幻想であった。
なぜなら彼も、すべての幻想がそうであるように、彼の自己を真の自己から離しておくかに見える肉体の中に居て、一人で歩いている分離した存在のように見えていたからである。
しかし、幻想を見た上でそれらを幻想であると識別しない限り、誰にも、救うことなどできない。
イエスは、偽りを見てそれを真実と受け入れなかったからこそ、救済者であり続けているのである。
そしてキリストはイエスという人の形を必要としたが、それは彼が人々の前に現れて、彼ら自身の諸々の幻想から彼らを救い出せるようにするためであった。
イエスは、自らを完全にキリストと同一であると認識したことにおいて、すなわち、常しえに神ご自身と同質で、神とひとつである完全無欠な神の子、神の一なる被造物、神の幸福であると認識したことにおいて、あなた方全員でもあるはずの存在となった。
彼はあなたが後についてこられるようにと道を先導した。
彼の目の前に広がる道を見て、そこを進んでいったからこそ、彼はあなたを神のもとへと連れ帰るのである。
彼は、あなたにとってはまだ曖昧な、偽りと真実の間の区別を明確にした。
かれが最終的に実証したのは、神の子を殺すことは不可能であるばかりか、神の子の生命は、罪や悪や悪意や恐れや死によってさえ、どのように変化させることもできない、ということであった。
それゆえに、あなたのすべての罪は赦されている。それらはまったく何の結果ももたらさなかったからである。
すなわち、それらはただの夢にすぎなかったのである。
このことをあなたに見せてくれた彼と共に目覚めなさい。
あなたの夢がかき消されるようにとそれらを共有してくれた彼に、あなたは恩義があるからである。
そして、彼はあなたとひとつでいられるように、今もなお、それを共有している。
彼はキリストだろうか。
もちろんそうであり、そしてあなたもそうである。
地上における彼のささやかな生涯は、彼があなた方全員のために習得した強力な教えを、あなた方に教えるには短すぎた。
あなたが自分で作り出した地獄から、あなたを神のもとへ導いていくために、彼はあなたと共にあり続ける。
そしてあなたが自分の意志を彼のそれと合一させるとき、あなたの視覚は彼の心眼となる。
キリストの目は共有されているからである。
彼と共に歩むことは、生まれたときからよく知っている兄と共に歩むのと同じように自然なことである。
実際、彼はそのような存在だからである。
彼は世界にとって兄となろうとしただけだというのに、彼についていくつもの苦々しい偶像が作り出されてきた。
あなたの幻想について、彼を赦しなさい。
そして彼があなたにとっていかに大切な兄であるかを見なさい。
彼はあなたの心についに安息を与え、あなたと共に、神のもとへとその心を運んでいくだろう。
彼は神からの唯一の助け主だろうか。
いや、まったくそうではない。
なぜなら、キリストは、どの名前も同一のものだと認識されるまでは、さまざまに異なる名前をもつ多くの形態で現れるからである。
しかしあなたにとっては、イエスが、神の愛についてのキリストの単一のメッセージを伝える者である。
あなたには他に誰も必要ない。
彼をあなたの生活の中に受け入れずに彼の言葉を読むだけでも、そこから何かを得ることはできる。
しかし、もしあなたが自分の苦しみや喜びを彼に打ち明け、その両方を後にして神の平安を見つけようとするなら、彼はあなたをもう少し助けられるだろう。
それでも、彼が何よりもあなたに学んでほしいと望んでいるのは彼のレッスンであり、それは以下の通りである。
神の子は同質のものであるから、死は存在しない。
あなたの為し得るいかなることも、永遠の愛を変えることはできない。
罪や罪悪感の夢は忘れてしまいなさい。
そしてその代わりに、神の子の復活を共有するために、私と一緒に来なさい。
そして私があなたを大切にしているように、あなたも神があなたのところへ遣わした者たちを大切に思い、彼ら全員を共に連れていきなさい。